香月久代

【白山麓の伝統工芸品、ヒノキ細工作りの歴史】
約400年前、旧尾口村深瀬(白山市)を訪れた旅の僧が檜笠の製法を伝授したのが始まりであると言われている。江戸時代中期には村の重要な産物になっていた。
昭和6年には、檜笠購買組合を設立し、共同作業所を建設するなど、販売の共同化を進め、生産も増加した。 製品としては、檜笠のほか網代天井、各種カゴ、花器等の民芸品も工夫され順調に発展した。昭和50年には、手取川ダム建設により産地が水没したため鶴来町等に移住し、グループを作り製作している。 ヒンナ(原料板を薄く細い経木にしたもの)を編むのは手作業であり、従事者のほとんどが高齢者である。

1988年に県伝統工芸品に指定され、編む技術を持つ県の伝統工芸士は現在、県内で二人だけ。
そんな後継者が少ない状況の中、「石川県の文化を守りたい」。同県白山市に住むオーストラリア出身のスーザン・マリーさんが、薄く削ったヒノキの板を編んで作る白山麓の伝統工芸品、ヒノキ細工作りの技を引き継ごうと励んでいる。 

スーザンさんは、工芸士の一人、香月久代さん=白山市深瀬新町=が開く教室でヒノキ細工作りを学び始め、
現在も香月さんが指導する「横町うらら館」(同市鶴来新町)で技を学び続けている。
毎年東京都内で開かれる「いしかわ伝統工芸フェア」への出展も行っている。

香月久代
香月久代
香月久代
所在地 石川県白山市深瀬新町12
電話番号 076-259-1394

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